矢掛宿の本陣は、石井家が世襲で務めていました。石井家は屋号を佐渡屋といい、矢掛町の庄屋を務めながら、酒造業を営んでいましたが、寛永12年(1635年)に本陣職を命じられたと伝えられています。
現存する本陣の建物は江戸時代中期に建てられた裏門・西蔵・酒蔵などを除き、本陣施設としての御成門・玄関・御座敷をはじめ主屋の主要建物は江戸時代後期(天保年間〜安政年間)にかけて再建されたものです。本陣の屋敷地は間口約36m、奥行約90m、面積約3,200m2で、十数棟の建物が建っており、それらはほとんど改変されることなく今日に至っています。